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Sand Play Therapy

Q:箱庭療法とはどのようなものでしょうか。 
A:箱庭療法とは、表現療法(芸術療法)と言われる心理療法の一つです。
 やり方は、57cm(縦)×72cm(横)×7cm(高さ)の砂が入った箱の中に、おまわりさん、ナース、お姫様、動物、怪獣、さらにお城や船などの好きなミニチュア(玩具)を、自分でひらめいた順に自由に配置していきます。森があったり、小川や湖もつくれます。あなたの想像の世界、夢の世界が、あなたの眼前に、この世でひとつしかない作品として表現されます。この想像の世界は、実はあなたの現実の世界の表れでもあります。
  そして、箱庭の制作後は、セラピスト(カウンセラー)と共にその作品の意味を分かち合い、心の整理を進めることができます。また、箱庭作品を作ること自体がとても楽しい作業でもあり、普段はあまり感じることのない、遊びの感覚を呼び起こしてくれます。
Q:箱庭療法は子供だましのような気がしますが。 
A:たしかに歴史的には、箱庭療法は、子どもの心理治療を目的とした遊戯療法(Play Therapy)として発展してきましたが、現在では、世界中で成人の方にも積極的に用いられています。
Q:箱庭療法は誰が考えだしたのでしょうか。
A:箱庭療法の起源は1929年に遡ります。英国の小児科医ローエンフェルト(Lowenfeld,M.)が、視覚だけ
ではなく触覚を通じて子どもの心の世界を表現する技法として世界技法(TheWorldTechnique)という名前のものを作ったのが、その端緒と言われています。その後、スイス人のドーラカルフ(D.Kalff)は世界技法とユング心理学を基盤としてさらに発展し、「砂遊び療法」(Sandplay Therapy,Sandspiel Therapie)として確立しました。
  そして日本では、1965年に河合隼雄先生(元文化庁長官)により箱庭療法として導入されて以降、急速に広まり、現在では全国の病院・学校等の相談室や各種のカウンセリングルーム等で、幅広く用いられています。
Q:箱庭の制作が、なぜ、心理の治療に役立つのでしょうか。
A:あなたの同僚もクラスメートも、そしてご家族さえいない安心できるルームの中で、セラピスト(カウンセラー)にあたたかく見守られながら、あなたは、普段は決して口にしたり、あるいは考えたこともないような様々なイメージを豊かに表現することができます。
 また、箱庭を夢中で制作している最中は、あの砂の持つ独特な感触も手伝って、“適度な心理的退行”(一種の幼児返り)が起こります。日常の種々のしがらみや制約を離れて、やさしく、そして芯は強いおかあさんに何から何まで守られていたあの頃に戻れるのです。臨床心理学では、このこと自体に大きな癒しの効果があると認められています。
 さらに、この、母であり、大地であり、大海原でもある箱庭の醸し出す無限の宇宙空間の中で、あなたが捜し求めていた本当の自分が発見できるかもしれないのです。
あなたの心の底のまた底に眠っていた感情を、ミニチュアを通して徐々に表現してゆけば、あなたの心にまとわりついていた重い鎖が解けていき、人間には本来備わっていたはずの“自己治癒力self-healing” が少しずつ発揮され、高まりますのであなたの心は重石が取れてすっきりして、本当に癒されてゆきます。
Q:箱庭療法はどのような心理の状態の人に適しているのでしょうか。
A:一般的には、神経症に限らず心身症あるいは統合失調症の方にも適応できると考えられていますが、クライエントさんの病態水準あるいは、状態により実施を控えた方がよい場合もありますので、ご自身としては判断に迷われる時には、当室までご相談頂くか、すでに通院されている方は担当医の先生とご相談の上お申し込みください。
Q:箱庭療法は心理の治療のためにしか使われないのでしょうか。
A:箱庭療法の適応範囲は幅広く、様々な心の悩みの解決に役立つだけではなく、健康を自任している方にとっても、自分自身を見つめ、普段はなかなか気づかない意外な自分の一面に触れることで、更なる自己成長を遂げる一つのツールとしても用いられています。
 また、必ずしも大きな心の悩みが無くても、普段の自分にしっくりしない感じがある時、また自分らしさが感じられない時など、ご自身の心を見つめてみたい時には、ぜひ一度体験されてみてはいかがでしょうか。
 あなた様のご来室を心よりお待ちしております。

編集:金澤和春
草稿:長田祐太

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◆ 5回程度での終結を目標としています。
◆ 2人以上でのご参加も可能ですが、基本的に制作はお1人ずつになります。
◆ 症状を改善するためにご希望の場合は、実施方法が異なりますのでご相談ください。

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